タンザニア国豆知識その1~「マンボ」は魔法のことば
先月(2024年2月)に仕事でタンザニア国(タンザニア連合共和国、以下タンザニア)を訪問しました。タンザニア訪問は昨年11月に続き2度目でしたが、2度の訪問でわかったことをいくつか紹介したいと思います。
タンザニアの言語はスワヒリ語(国語)、英語(公用語)で(※1)、英語が通じることが多いですが、やはり現地人同士の会話はスワヒリ語で行われています。私はスワヒリ語の挨拶「こんにちは」は ”Jambo”(ジャンボ、※2)だと思っていたのですが、タンザニアの人たちは ”Jambo” と挨拶しません。彼らは ”Mambo”(マンボ、こんにちは)と挨拶し、”Poa”(ポア)と返します。
私も試しに「マンボ」と声をかけてみると、「ポア」としっかり返ってきました。この「マンボ・ポア」のやり取りが、ことばの響きもよく、とても楽しく感じられたので、会う人になるべく「マンボ」と言ってみると、知らない人でもほぼ95%「ポア」と返してくれました。
こんなことがありました。首都ドドマでSGR(Standard Gage Railway、標準軌鉄道)新ドドマ駅(建設中)を見に行ったとき、その様子をスマホで写真撮影していたのですが、向こうから現地の人が「ノー、ノー」と言って両手を大きく振りながらこちらに走ってきます。近くに来て怖い顔で「写真撮影したいなら、あちらにいるT国人のマネージャーに許可を取ってくれ」と言うので、まずは挨拶をと思い、明るく「マンボ!」と言ったところ急に笑顔になり「ポア」と返してくれ、「フォト、フォト、オー、ノー・プロブレム」と写真撮影が許可になりました。本当にこれでよいのか、という見方もありますが、それ以来「マンボ」という魔法のことばの不思議な力をうまく利用するようにしています。
(中小企業診断士 米屋正宏)
<注記>
(※1)外務省ホームページより
(※2)正しくは、Jamboは「事柄、問題」という意味の名詞で、この名刺の前に「〇〇は~ない」という否定の意味を持つことばを付けて「〇〇は大事がありませんか?」という尋ね方をします(※3)。「あなたは大事がありませんか?」は “Hujambo?”(フジャンボ)で、それに対する返事「わたしは大事がありません」は “Sijambo.”(スィジャンボ)です。
(※3) 竹村景子著、白水社「ニューエクスプレス・プラス スワヒリ語」より