チュニジアのハンコ文化

実は日本よりもハンコ文化なのではないかと思ったほど、ハンコ/スタンプ文化があるチュニジア。今回はフランス語と交えて、いくつか事例を紹介します。

カシェ(Cachet)

ハンコ、スタンプのこと。会社や販売店などに行くと、たいていの場合その組織専用のハンコがあります。ハンコを押した後、その上に重なるようにサイン(より丁寧な場合は日付も記載)するのが、チュニジアでは一般的です。

レガリゼ(Légalisé

住居契約の締結や就労証明書の発行などの書類を市役所で認証してもらう手続きを指します。例えば、住居契約締結の際には、大家とともにその地域の市役所に出向き、身分証明書やパスポートなどの原本と照らして、契約書に記載された情報が誤っていないかなどを確認してもらい、登録番号台帳に署名を行うなどして、認証手続きを行います。認証の証として、書類の原本には所定のスタンプが押され、そこに登録番号や日付などが記載されます。

デシャージュ(Décharge)

控えのこと。例えば小切手や請求書など原本を相手に渡す際、あらかじめ原本と写し(コピー)を用意しておき、控えとして写しに相手のハンコとサインをもらいます。ハンコがない場合はサインのみでももちろん受け入れてもらえますが、業務の場合は相手から「カシェ(ハンコ)は?」と聞かれることもあるほど、ハンコが必要とされていることを感じます。

最近では公共料金支払をはじめ、様々なところでインターネットバンキングや電子化が進んでいるチュニジアですが、紙やハンコ、スタンプ文化もいまだに強く根付いています。こうした背景もあり、現地のスタッフへのお土産としてカタカナの名前入りの日本のハンコをプレゼントした際には喜んで使ってもらえました。